佐野病院のがん治療とは

佐野病院の特徴と役割

地域医療における専門病院
としての在り方

2006年に消化器センターを開設以来、佐野病院で内視鏡検査を希望される患者様は年々増加しています。実際に検査を受けた患者様からの評価が高いこともあり、開設から10年めを迎える昨年2015年には、年間内視鏡検査件数が7104件となり、2014年に比べ大幅に増加しました。
佐野病院が、これほど多くの患者様に選ばれる理由・・・。それは、他の病院にはない、以下のような「独自性」にあります。

PROFILE

佐野 寧 (Yasushi Sano)
佐野病院 理事長・院長 厚生労働省研究班(元主任研究者)

【診療科目】 消化器センター外来・内科
【専門分野】 消化器内視鏡診断及び治療(特に上部下部内視鏡による検査と治療)、化学療法(特に消化器がん)、終末期医療

佐野 寧

迅速な内視鏡検査と治療

私が以前勤務していた国立がん研究センターや大学病院などは、日本全国から患者様が集まるため、検査に2〜6ヶ月待ちということも珍しくありません。しかし、がんは進行性の病気ですから、少しでも早い検査と治療が理想的です。
当院は、消化器がん専門病院として、できるだけ早期の治療をモットーとし、早ければ1週間以内、長くても2週間程度で検査の予約が可能です。
また、当院の検査・治療を見学された方は皆さん一様に、検査が圧倒的に効率化されていて、スピーディーだとおっしゃいます。これは、教育を徹底された当院のスタッフが、検査後の処理と次の検査準備を同時に進行させているため、検査間のタイムラグが最小限であることが大きな理由です。結果として、同じ時間でも、より多くの検査を実施することにつながり、検査数の増加、また、早期の検査と治療が実現しています。

苦痛の少ない内視鏡検査

当院の内視鏡検査は静脈麻酔下に行うため、患者様は苦痛を感じることなく、内視鏡検査を受けることができます。海外では常識ともいえる方法ですが、静脈麻酔を使用した内視鏡検査は、日本ではまだまだ一般的とは言えません。
検査は、苦痛を感じると繰り返し受けていただくことが難しくなるため、できる限り苦痛のない方法で行うというのが、当院の考え方です。内視鏡検査終了時にはアンケートを実施していますが、90%以上の患者様に満足とお答えいただいています。
消化器がん、特に大腸がんは早期発見によって治癒する確率が高まるため、定期的に検査を受けることが何より重要です。検査を受けやすい環境を作ることが、がんを未然に防ぐことにつながり、それが当院の役割だと考えています。

佐野病院消化器センターの患者様データより(2016〜2017)

佐野病院消化器センターの患者様データより(2013〜2014)

医師陣と設備の充実

当院の消化器センターは、国立がん研究センターを中心に、がん専門病院で修練を受けた医師によって構成されており、地域の個人病院でありながら、内視鏡による高精度の検査と最先端の消化器がん治療が可能です。また、最新の設備を導入することにより、優れた技術提供とともに、高い安全性を確保することも心がけています。
今後も技術・設備の両面から最新の医療を提供することで、地域のがん専門病院としての独自性を追求していきたいと考えています。

技術レポート

大型病変を一括切除する大腸ESD

日本人の死亡率、罹患数ともに増え続けている大腸がん。以前は、2cm以上のがんや粘膜下層に浸潤した場合は、外科開腹手術が必要でした。しかし、2012年4月から保険適用となった大腸ESDを用いることで、これまで内視鏡治療が困難とされていた2cm以上のがんも、内視鏡で治療できるようになってきました。最新の内視鏡治療「大腸ESD」についてご紹介します。

大腸ESDとは

ESDは「内視鏡的粘膜下層剥離術」の略称で、最新の内視鏡治療の一つです。内視鏡の先端から突き出た注射針で腫瘍の下側にヒアルロン酸ナトリウム溶液などを注入し、腫瘍を浮き上がらせ、周囲を高周波ナイフで薄くはぎ取っていきます。
病変が2cm以下の早期食道がん、早期大腸がんの場合は「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」という治療法がすでに普及していますが、EMRでは大きな病変は一度に切除できず、周囲にがんが残り再発しやすいという問題がありました。 
EMRの弱点を克服したのがESDで、EMRでは一括切除できなかった大きな病変を取り残しなく切除できるようになりました。また、がんの深さや血管・リンパ管への浸潤を術後の病理診断で正確に行えることも、大きなメリットです。

開発から関わっている豊富な経験値

ESD治療は、私が国立がん研究センターに勤務していた当時、チームで開発を進めてきた治療法です。手技の確立はもちろんですが、高周波ナイフなど、専用の医療器具なども一からチームで作り上げてきたものです。
開発段階のESD治療では、大変多くの合併症を経験し、また、それらをすべてクリアしてきました。この経験値は大変貴重で、ESD治療による合併症の怖さも、その対処方法も、当院ほど熟知している病院は少ないといえるでしょう。

高度な技術に加えて、豊富な経験から生み出されるESDに対するマネジメント能力の高さ、これが当院の最大の特徴であると思います。

ESDの手技

問われる医師の技術力

多くのメリットが期待できるESDによる治療ですが、組織を大きく切除するため、出血や穿孔のリスクが高く、医師の高い技術が問われる治療法でもあります。特に大腸は、内視鏡の操作自体が胃より難しいことに加え、腸管の壁が薄いため、穿孔のリスクがより高く、医師の技術は重要です。
当院には現在、がんが大きい、癒着がみられる、内視鏡の挿入が困難など、難症例のESD治療に関する相談が多数寄せられています。10cmを超える大きながんの場合は、ESDに熟練した医師でなければ難しいため、対応できる病院は限られてきます。私が今までESDで治療した大腸がんは、最大で18.5cmありました。逆に言えば、これほど大きな大腸がんでも、熟練した医師が行えば、安全に治療できる可能性があるということです。
実際にESDでの治療が必要となった場合は、ESD手術の経験が豊富で、ESDに習熟している医師がいる病院を選択することが大切になってきます。

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ワンポイントメモ

大腸ESD治療を行うためには、症例数の基準や緊急手術体制を有しているなど、厚生労働省より施設基準が示されています。
当院は、大腸ESDが保険適用になる以前の2010年5月、兵庫県で初めてESD治療の認可を受けました。

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