診療科・センター

整形外科

当科の概要

運動器と呼ばれる、からだを動かすことに関わる器官(骨、関節、筋肉、腱、靭帯およびそれらに関わる神経)にまつわる病気、けがを扱います。

整形外科で取り扱う主な病気、けが

  • 手、足、脊椎(背骨)、骨盤などに生じた骨折、脱臼、捻挫、靱帯損傷などのけが
  • 肩、肘、手などの痛み、しびれなど筋肉、腱、末梢神経の障害による病気
  • スポーツによる肩、肘、膝などの傷害
  • 変形性関節症や関節リウマチなどの関節をおかす病気
  • 手足のしびれや痛み、力が入らないなど背骨を通る神経(脊髄)の障害による病気
  • 骨粗鬆症

当科では骨折などのけがや肩、肘、手に関する手術を中心に治療を行っています。特に、専門分野である肩関節においては、関節鏡を用いたからだに優しい治療を行うなど、専門性を重視し、最新かつ最善の治療を提供できるよう心がけています。
また、救急患者さまも積極的に受け入れ、迅速に対応しています。

診療体制

診療内容・診療時間
午前
9:00〜12:00
1診   多門 黒田 竹森 深瀬
2診   -  濱淵 濱淵
 

からだに優しい治療を目指して・・・

当院の他の診療科では内視鏡を用いた検査・手術が行われています。同様に、整形外科においても肩関節を中心に内視鏡を用いた手術を積極的に行っています。

関節鏡(内視鏡)手術

数mmの小さい穴を数箇所作って、そこから関節鏡や器具を入れて、内部を観察しながら操作を行います。

関節鏡の利点

1.正常な組織をほとんど損傷しない、からだに優しい手術

修復が必要な組織は肩の奥深くにあり、切り開いて行う手術では奥に到達するために表面の正常な組織を切らなければいけません。一方、関節鏡手術は表面の正常な組織をほとんど損傷せずに操作を行うことができ、キズも小さいことからからだへの負担も少なく、からだに優しい手術と言えます。

2.手術の後の痛みが少ない

一方が切り開く手術、もう一方が関節鏡手術を受けられた患者さまに尋ねますと、関節鏡手術のほうが痛みは少ないと答えられる方がほとんどです。術後の痛みが少ないのも特長といえます。

3.動きの制限が残りにくい

切り開いて行う手術では表面の正常な組織を切らなければならず、そのために手術の後に肩の動きが硬くなり動作に制限を生じることがしばしばあります。関節鏡手術ではそのような動作の制限が少ないという利点があります。

当施設では、積極的に関節鏡手術を取り入れ、からだに優しい治療を行っています。

 

当科で関節鏡手術を行っている主な疾患

肩関節の病気

肩関節は最も動く範囲が広い関節です。肩関節は肩甲骨、上腕骨、鎖骨からなる関節で、これらにはたくさんの筋肉が付着していてバランスよく動くことによって複雑な動きを可能にしています。
肩関節の疾患は、皮膚や表面に触れる厚い筋肉の奥深くに生じることが多く、骨や筋肉、これらを取り囲む組織に異常が生じると、痛みが出てきたり腕が上がらないといった問題が起こったりします。

肩関節に関わる主な病気

(1)五十肩(肩関節拘縮)、(2)腱板断裂、(3)石灰沈着性腱板炎、(4)肩関節脱臼

五十肩(肩関節拘縮)

五十肩とは肩甲骨と上腕骨の接する部分を包む関節包(かんせつほう)という袋が硬くなってしまったために肩関節の痛みや腕がうえまで上がらなくなる病気です。関節包という風船が硬くなってふくらまない状態になっているとお考えください。四十肩とも呼ばれていますが、これは単に起こったときの年齢での違いで表現が異なるだけです。

何が原因?

明らかな外傷やきっかけなどはありません。ご自身では気付かないような外傷や負担が原因とも言われています。

どんな症状?

徐々に痛みが出現し、肩関節の動きが制限されてきます(拘縮)。夜間に痛みで目が覚めるという場合もあります。

・痛みが強い時期
・痛みがあって動きが制限される時期
・痛みは和らいだが動きが制限される時期

これらの時期を経て症状は改善します。

治療方法は?

痛みが強い時期には注射療法を行います。動きが制限される時期にはリハビリテーションを行います。これらの治療が奏効しますので手術に至ることはありません。しかし、長期にわたって改善しない場合や骨折や大きいけがの後に腕が上がらなくなった場合などでは、手術をしたほうがよいこともあります。
手術は関節鏡を用いて行います。数mmの穴を2-3箇所作り、関節鏡で内部を観察しながら処置を行います。硬くなってしまった関節包の一部を切り離します。
手術の後は翌日からリハビリテーションを行い、肩を動かす訓練を開始します。

腱板断裂

肩甲骨と上腕骨(腕の骨)をつなぐ筋肉で、腕を上げるのに使う4つの筋肉をまとめて腱板(けんばん)と言います。肩の奥深くにあり、表面から触れることはできません。これらの筋肉がバランスよく働くことで肩を痛みなく動かすことができるのですが、これらの筋肉の一部が切れてしまうと強調して動かすことができなくなり、さまざまな問題が起こってきます。

鍵板断裂①

何が原因?

若い方の場合にはスポーツや仕事による肩への負担が挙げられます。重い物を持ち上げたり、野球での投球動作やバレーボールでのアタックを打つ動作など肩を高く上げたりする動作を繰り返し行うことで断裂することがあります。ご年配の方の場合には、加齢によって腱板が硬くなってきますので、これらの動作だけでなく家事のほんのちょっとした動作や軽い負担で断裂することがしばしばあります。

どんな症状?

「肩が上がりづらい」、「重だるい」、「すぐに腕が疲れる」、「ひっかかる感じがする」・・・などです。お米を研いだり洗濯物を干したりする動作や扉を開け閉めする動作で肩に違和感をおぼえる場合や腕を挙げて長い時間仕事をしていられないといった場合には腱板断裂を疑います。腱板が切れてもほとんどの場合、腕を上げることができます。五十肩と診断されていることがありますので注意が必要です。

診断!

MRI検査で行います。断裂した腱板を確認することができます。ペースメーカーを入れておられる方などMRI検査を受けられない場合には関節造影といって肩にお薬を注射して確認します。レントゲンでは大きな異常が認められないことが多く、レントゲンで異常がないからといって安心できるわけではありません。

治療方法は?

まず痛み止めの内服、注射、リハビリテーションといった手術をしない方法を行い、それでも症状が改善しない場合には手術を行います。
夜間に痛みがでる場合は、腕の下に枕を置く、重い物を持つ場合には肘を体に密着させるなどの注意点を説明したり、猫背が影響していることもありますので、肩甲骨の動きや姿勢を改善するリハビリテーションを行ったりします。また、痛みが強い場合には注射を行います。
これらによって症状が改善することはありますが、腱板を治せるわけではなく生活しやすいように工夫しているにすぎません。残念ながら腱板はいったん断裂してしまうと自然に修復されることは無く、根本的な治療のためには手術を行います。

手術の種類と方法

従来あるいは現在でも行われている施設も多くありますが肩を大きく切り開いて行う方法(直視下手術)と、最近行われるようになってきた関節鏡を用いる方法(関節鏡下手術)とがあります。当院では基本的には、関節鏡を用いた、からだに優しい手術を行っています。
修復方法は断裂の大きさや形によって決定します。数mmの穴を4-5箇所作成し、そこから関節鏡で内部を見ながら器具を挿入して操作を行います。上腕骨にアンカーと呼ばれる糸付きの杭を打ち、そのアンカーについている数本の糸を断裂した腱板に通して、腱板を上腕骨に固定します。

鍵板断裂②

手術のタイミング

ほとんどの場合、初めは筋肉(腱板)のごく一部が断裂します。時間がたつにつれ、断裂の範囲は徐々に大きくなり、筋力が低下し、筋肉がやせていきます。場合によっては腕が上がらなくなります。断裂が大きい場合や断裂してからかなり時間が経過している場合には修復が困難なために術後の回復がおもわしくないことや関節鏡手術では対応できないことがあります。さらに手術をしても再び断裂してしまう危険性も増していきます。したがって、できるだけよい条件のうちに修復することが大切です。

手術後の処置

手術の後は三角巾で腕を固定します。リハビリテーションは手術の翌日から開始し、少しずつ痛みに応じて肩を動かしていきます。約3ヵ月はスポーツや重い物を持つなど肩に負担のかかる動作は控えるようにします。

石灰沈着性腱板炎

肩の奥深くにある、肩甲骨と上腕骨をつなぐ腱板という筋肉や腱のなかに白い泥状の物質(石灰)がたまる病気です。たまるだけであれば問題になることほとんどありません。ですが、周りにある滑膜という薄い膜に炎症を及ぼすことで激しい痛みが出現したり、石灰が引っかかって腱板の動きを妨げたりする場合には治療が必要です。

何が原因?

はっきりとはわかっていません。40-60歳の女性に多いと言われています。

どんな症状?

激しい痛みが特徴で、夜に眠れないほどの痛みを伴うこともあります。もちろん、強い痛みのために肩は上げられません。また、肩に熱感、発赤を認めるようになります。これは周りにある滑膜という薄い膜に炎症を及ぼしているからです。
また、肩を動かしたときに引っかかる感じがすることもあります。

診断!

レントゲン検査で行います。肩に白いかたまりがあるかどうか確認します。

治療方法は?

まずは注射と内服を行います。注射は、石灰の周りにある滑液包という袋のなかに局所麻酔薬とステロイドを入れます。ただし、糖尿病などをお持ちの方はステロイドが使えないことがあります。内服は消炎鎮痛薬と胃薬です。胃薬のなかには、この石灰を消失させる効果があることがわかっており、痛みを抑えるお薬とともにお飲み頂きます。これらで激しい痛みを抑えられることがほとんどです。それでも痛みがひかない場合や引っかかるような症状がある場合には石灰に直接針を刺して吸引かつ溶かす治療あるいは関節鏡手術を行います。関節鏡手術では石灰の沈着している部位を確認し、表面の一部を切り開いて白い泥状の石灰を取り除きます。

肩関節脱臼(反復性)

腕の骨は本来、肩甲骨のそばにありますが、スポーツや外傷などで肩に強い力が加わって腕の骨が本来の位置からはずれてしまうことを脱臼と言います。その方向によって前方脱臼、下方脱臼、後方脱臼があります。ほとんどは腕の骨が前方に脱臼する前方脱臼です。一度はずれてしまうと脱臼しやすくなり(脱臼癖)、それほど強い力が加わらなくてもはずれたり、服を着替える動作や寝ているうちにでもはずれたりするようになります(反復性脱臼)。

何が原因?

スポーツや転倒で肩を強くぶつけたり、あるいは手が思いもよらぬ方向にもっていかれたりすることで脱臼します。腕の骨(上腕骨)に力が加わってはずれようとすると、本来は上腕骨と肩甲骨とをつなぐ関節包、関節包の一部が厚くなった関節上腕靭帯が突っ張ってはずれないようにしています。ですが、さらに強い力が加わると関節包の壁が壊されて上腕骨がはずれてしまいます。関節唇はもとの位置からずれてしまい、関節包はゆるんだ状態になります。
けん玉で考えてみてください。肩甲骨というお皿のうえに上腕骨という玉があります。人間のからだでは玉が落ちないようにお皿のふちに関節唇という土手と関節包という玉と皿を包む袋があります。玉に力がかかって落ちようとするとこれらが突っ張るのですが、さらに強い力が加わると、関節唇と関節包がお皿から剥がれて玉は落ちてしまうのです。

どんな症状?

脱臼を生じた場合には激しい痛みがあります。脱臼が整復されて数日間は重い痛みや違和感などは残りますが、すこしずつ和らいでいきます。
その後の生活の中では、通常の動作ではあまり問題にはなりません。脱臼を繰り返すと、服を着替える動作や寝ているうちにでもはずれたりするようになりますし、違和感を覚えるようになります。
また、スポーツなどで肩に力が加わったり腕がもっていかれたりすると恐怖感がでたり、肩を動かすとはずれそうな不安感を生じます。

診断!

脱臼はレントゲンで確認します。後方脱臼など判断の難しい場合にはCT検査を行います。
反復性の場合や初回脱臼でしばらく経過の立っている場合には、実際に脱臼しそうな姿勢をとってはずれそうな感覚があるのかを確認します。検査としては、関節唇や関節上腕靭帯はレントゲンでは写りませんのでMRI検査で診断します。骨折などを合併している場合にはCT検査を行います。

肩関節脱臼①

治療方法は?

脱臼して来院された場合には、腕を上げる、あるいはうつ伏せでおもりをぶら下げるなどの方法で整復します。その後、三角巾で固定をします。
リハビリテーションで周囲の筋肉を鍛えて脱臼しにくくするなどと言われますが、残念ながらはずれない肩にはなりません。損傷した関節唇や関節上腕靭帯は手術以外の方法では治せないのです。あまり肩を使わない方のなかには手術を行わないこともありますが、完治をお望みであれば手術を行う必要があります。

手術について

従来あるいは現在でも多くの施設で行われている肩を大きく切り開いて行う方法(直視下手術)と、最近行われるようになってきた関節鏡を用いる方法(関節鏡下手術)とがあり、当院では基本的には、関節鏡を用いた、からだに優しい手術を行っています。
関節鏡視下バンカート法と呼ばれる手術で、数mmの穴を2-3箇所作成し、関節鏡で内部を観察しながら壊れてずれてしまった関節唇やゆるくなってしまった関節包、関節上腕靭帯を元の位置に戻します。肩甲骨関節窩というお皿のふちにアンカーと呼ばれる糸付きの杭を4-5本挿入し、ついている糸を関節唇や靭帯に通して引き寄せて固定します。
術後は約3週、三角巾で固定します。術後早くから勉学、デスクワークなどの就労は可能です。術後3ヵ月で軽いスポーツ、6ヵ月でほとんどのスポーツ種目で復帰が可能となります。

肩関節脱臼②

 

手根管症候群

母指(おや指)から環指(くすり指)までの感覚、つまみ動作に関わる母指球の筋肉の力に関わる正中神経が、手関節(手首)から掌の部分で圧迫される病気です。
正中神経は手関節から掌の部分で手根管という狭いトンネルのなかを走っています。トンネルの中には正中神経のほかに指を曲げる腱(屈筋腱)が9本走っています。トンネルの中で正中神経が強く圧迫されると手指がしびれる、痛いなどの症状が出てきます。

何が原因?

明らかな原因のない、特発性が多いと言われています。手指の過度な使用が原因のひとつに挙げられていて、パソコンの長時間の使用や料理などの家事で手首に負担がかかるなどがその例です。原因のはっきりしているものとしては、手関節周囲の骨折などによる変形、関節リウマチによる滑膜炎、血液透析によるアミロイド沈着、指を曲げる腱の滑膜炎などがあります。また、妊娠中の女性や更年期以降の女性に多く起こると言われています。

どんな症状?

正中神経が関わる母指(おや指)から環指(くすり指)までの領域にしびれや痛みが起こります。特に夜間に強くなる傾向があり、明け方にしびれや痛みで目が覚めるといったことも起こってきます。
進行すると母指球の筋肉が萎縮しまい、つまむ動作がしづらくなります。例えば、ボタンが掛けづらい、細かい動作ができない、お箸がうまく使えないといった場合には手根管症候群が疑われます。

診断!

頚椎の病気でも同じような症状が出る場合がありますので、MRI検査でどちらが原因かを判断します。手根管症候群が疑わしければ、神経伝導速度検査で神経の伝わり具合を調べます。そのほか、手首を曲げたりしてしびれや痛みが起こってくるのかなどを調べます。

治療方法は?

症状が軽い、あるいは中等度の場合には、まず手首の安静を保つよう、仕事や運動、日常生活動作の注意点をご説明します。場合によっては安静にするための装具を装着することもあります。また、ビタミンB12製剤やプロスタグランジン製剤の内服やステロイド剤の手根管への注射などを行います。
これらの方法でも改善しない場合や母指球の筋肉がやせている場合には手術を行います。手術には直視下手術(切り開いて行う)と内視鏡下手術(内視鏡で観察しながら靭帯を切り開く)とがあります。正中神経を圧迫している横手根靭帯(屈筋支帯)を切り開いて、正中神経の圧迫を解除します。トンネルが狭すぎて正中神経に強い圧迫がかかっているので、トンネルの屋根を開いて通り道を広げるようなものです。
当科では直視下手術、内視鏡下手術ともに対応することができます。

ドクター紹介

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